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声楽家 寺尾たかひろ 公式ブログ

声楽家・寺尾たかひろの活動をご紹介します

強弱

とある団体の、大事な会議でのことでした。

私は5分程のスピーチを任されていたので、その時を待っておりました。

 

 

緊張して会場を歩き回っていると、偉い人がスレ違い様、私の耳元で囁きました。

 

偉い人「余計なことは言うな…」

わたし「😱…」

 

 大きな声ではないんです。

 

 本当の f (フォルテ)というものは…

 

 

 寺尾たかひろ

 

 

 

 

構成

あんたがたどこさ ♪

                                                 唱歌

あんたがた何処さ 肥後さ

肥後何処さ 熊本さ 熊本何処さ せんばさ

 

せんば山には 狸がおってさ

それを猟師が 鉄砲で打ってさ

 

煮てさ 焼いてさ 食ってさ

それを木の葉でちょいと被せ

 

 

★この歌を、細かく分析して構成にかかりましょう。

 

この歌は、AさんとBさんとの会話のやり取りとして解釈することに致します。

先ず、上記のやり取りを分かりやすく分解します。

 

 

あんたがたどこさ ♪

 

A:  あんた出身は何処?

B:  肥後です

A:  ほう、肥後の何処?

B:  熊本です

A:  で、熊本の何処よ?

B:  せんばです

 

Lesson

ここまでは、AとBの何気無い日常会話のような状態をイメージして歌いましょう。従いまして、前奏を含め余計な強弱を付けない軽やかな状態が効果的です。

次の会話からAが動きます。

A、B、両者の心理を細かく口語的に訳してみます。

 

 ❶

A:   アッ!(8分休符)、そー言えば、せんば山って狸がいるんだよね?

B: 『( ゚д゚)!!』

 

A: 『チッ、声が強すぎたか。。。』

    『逃げちまわぬよう、少し抑え気味で話すか。。。』

 

A: (8分休符)その狸を鉄砲で打ち殺しちゃうんだって。

B: 『怖いですねえ…(^。^) 』

 

A:『安心するなよ。ここから、いたぶってやる』

 

A:    その狸を煮たりして

B:   (゚o゚;;

 

 

A:   焼いたりして

B:   (ー ー;)

 

 

食うんだってさ

B:    Σ(゚д゚lll)

 

A:   ❻ 最後にそれを木の葉で隠したら終了。良いとこだね〜せんばやまって…

B:    。・°°・(>_<)・°°・。

 

 

★この歌は、日常会話に含まれる対象者の弱い心理に脅迫観念を植え付けようとする、日本人特有の気質を如実に表した作品であると考えたら、多くの方々に非難を浴びてしまうでしょうか?

 

ともあれこの歌を、AとBとの会話のやり取りとして解釈し、

次に上記のやり取りを、音楽表記で分類することにしてみます。

 

前奏leggiero  (レッジェーロ=軽やかに) と呼ばれるものです。

❶ は ff  (フォルテシモ=とても強く)と呼ばれるものです。

❷ は pp (ピアニシモ=とても弱く)と呼ばれるものです。

❸❹❺ は crescendo(クレシェンド =だんだん大きく)と呼ばれるものです。

❻ は mpメゾピアノ=やや弱く)と呼ばれるものです。

 

それでは最後に整理して歌ってみることにしましょう。

 

 

あんたがたどこさ ♪

 

leggiero

あんたがた何処さ 肥後さ

肥後何処さ 熊本さ 熊本何処さ せんばさ

 

ff

せんば山には 狸がおってさ

 

pp

それを猟師が 鉄砲で打ってさ

 

crescendo

煮てさ   焼いてさ   食ってさ

 

mp

それを木の葉でちょいと被せ ♪

 

 

怖いですね…

唱歌って(笑)

 

 

寺尾たかひろ

 

 

 

 

 

歌詞を自分のものにする

 

谷川俊太郎さんの作詞には、まだまだ優れた作品があります。

 

例えば、月火水木金土日のうた(作曲/服部公一)

 

 

(1番)
月曜日 笑ってる ゲラゲラ  ゲラゲラ 笑ってる
お月様は 気がへんだ お月様は 気がへんだ

 

(2番)
火曜日  怒ってる カッカ カッカ カッカ カッカ  怒ってる
火鉢の炭は 怒りんぼ  火鉢の炭は 怒りんぼ

 

(3番)
水曜日  泳いでる スイスイ スイスイ  泳いでる
ミズスマシは水の上  ミズスマシは  水の上

 

(4番)

木曜日  燃えている  モクモク モクモク  燃えている
火事だ 火事だ 山火事だ   火事だ 火事だ 山火事だ

 

(5番)
金曜日  光ってる キラキラ キラキラ  光ってる
大判 小判 土の中  大判 小判 土の中

 

(6番)
土曜日 掘っている ドンドン ドンドン 掘っている
何処まで 掘っても 見つからない  何処まで 掘っても 見つからない

 

(7番)
日曜日  遊んじゃう ニコニコ  ニコニコ 遊んじゃう
お日さまと一緒  パパと一緒  お日さまと一緒  パパと一緒
Monday  Tuesday  Wednesday  Thursday  Friday  Saturday  Sunday

 


歌の解釈は自由ですから、自分なりに細かく分析してみましょう。

先ず1週間の初めは日曜日ですが、この歌では月曜日から始まっています。

また、ゲラゲラ笑ってる月曜日の状態が、ニコニコ遊んじゃう日曜日の状態へと変化

して行きます。


私は上記2点に的を絞り、それぞれ3者の視点に分けて、この歌詞を以下のように解釈してみました。


月曜日ーーー ①上司の命令、②PTA役員、近隣、③学校、納得出来ない授業
火曜日ーーー ①職場、仕事仲間、②主婦、家事、③イジメ、喧嘩、先生
水曜日ーーー ①取引先の重役、契約完了、酒の席

                       ②美容と健康、清掃後の一息(ティータイム)

                       ③早めの下校


木曜日ーーー ①トラブル(ミス)、②人間関係、③勉強に着いて行けない
金曜日ーーー ①花金、会社の奢り、②買い物(財布の中身)、③お小遣い
土曜日ーーー ①終わらない残業、平日処理し切れなかった仕事

                       ②赤字、家計簿、

                       ③宿題の答え
日曜日ーーー ①家庭、②家庭、③家庭


もう、お分かりですね?


①は、お父さん

②は、お母さん  

③は、子供


この3つの視点を取捨選択し、時にはユニゾン、時には重唱、或いは輪唱などでクロスさせることで、オリジナルの作品(歌)が生まれます。

 

創作に不正解はありません。

答えというものは、自分自身で導くことが出来るんです (^-^)

 


寺尾たかひろ

 

 

 

 

演劇集団円・こどもステージ

昨年のことですが、演劇集団円公演(7/28-8/5)こどもステージ「どんどこどん」の歌唱指導を振り返ってみます。円は実に3年振りでした。今回、私が最も印象に残った作品は「誰もしらない」という歌です。

 

だれも知らない

(作曲/中田喜直 編曲/寺島尚彦)

 

お星様一つ プッチンともいで

こんがり焼いて 急いで食べて

お腹壊した

オコソトノ ホ

だれも知らないここだけの話

 

誰も見ていないところで、お星様をもいでみたら、

『食べれるかも知れない…。』という子どもの好奇心ならではの発想です。

 

子供は好奇心で行動を起こし、間違いに気付き成長して行きます。 

この歌は、誰にも見られていない所でコッソリ試してみた感覚を「オ・コ・ソ・ト・ノ」で表現しています。従いまして、この箇所は、緊張感を持った小さなスタッカートで歌うのが妥当ではないでしょうか。

 

そしてこの様子、子供しか知らないはずが、

実のところお母さんには全てお見通しという、

ここだけの話し (^ ^)

 

寺尾たかひろ