基本に返る
8月19日 スタジオヴィルトゥオージ
ピアニスト倉本洋子先生の研究会で歌って参りました。
この日は、ロンドンから帰国した洋子先生の生徒様方(弦楽器)との共演でした。
まだ私が17歳の頃、洋子先生に「ピアノが弾けるようになりたいです!」と言った記憶があります。その流れでソルフェージュを教えて下さったり声楽のピアノ伴奏をして下さったり、本当に感謝しております。そして旦那様は、私を東京芸術大学へ導いて下さった声楽の恩師寺澤直樹先生です。寺澤先生は高校時代合唱部の顧問で、そのご縁もあり、私は先生の門を叩きました。
『音楽家になりたい!』と志し、先生の下駄箱の中にある音楽室の鍵を持ち出してはグランドピアノで猛練習をしたものでした。先生の許可を得てはいたのですが、誰もいない校舎に忍び込んでいると毎回毎回、何故だか自分が泥棒をしているみたいでちょっと不思議な感覚でしたが、それでも練習中はとても幸せでした。
私は、そもそも音符というものを全く読んだことがなく、楽器に触れた経験すらありませんでした。そんな私を一から、手取り足取り教えて下さいましたのが、お二方であります。大変厳しくも情に深い寺澤先生の声楽レッスンと、洋子先生の丁寧なソルフェージュのレッスンへの感謝の念は一生涯忘れません。
聴音の単旋律、複旋律、和声、楽典を音楽室のホワイトボードで、先生対私たち生徒数名で勝負したこともありました。(1度だけ和声聴音で勝ちました!)
さて、思い出話はこの辺にしまして。。。
今回の演目は以下のメニューでした。
⚫️Tengo nostaljia de ti
(お前が懐かしい)作曲/タタ・ナーチョ
⚫️La rosa y el sauce
(バラと柳)作曲/グアスタビーノ
⚫️死んだ男の残したものは
作曲/武満徹
改めて、基本に返れた1日でした。
音楽って本当に素晴らしい!
寺尾たかひろ